孤独の自炊 #008:タコ飯の悲鳴ばい

※熊本県人からいただいたイリコ出汁、もとい、駄目出し。
「これはタコの混ぜご飯たい。 本来のタコ飯みたいに一緒に炊き込んどらんけん、ちょっと影のタコ飯やね。」

プロローグばい

昨日、スーパーに立ち寄ったとき、悲鳴が聞こえてきた。
「だれか、助けてくれんね~!」

悲鳴のする魚売り場に行ってみると、顔が真っ赤・・・ではなく、赤黒くくすんで、息も絶え絶えなタコがトレーの上で悲鳴をあげていたのだった。
「兄ちゃん、買うてくれー!」

「よし、俺が助けてやる、心配するな。一晩仕事にでかけるが、おとなしく待っているんだぞ。」
と、声をかけ、会計をすませた三郎はビジホへ戻ると、すぐタコのトレーを冷蔵庫にしまいこんだ。(※タコやイカはかなり長く冷凍保存できます。)

調理開始ばい

翌日の夜。 少し熊本弁にも慣れた三郎は、小さな冷蔵庫を開けた。
「北海道産だけん、天草のタコには負けるばってん、これでも十分よか。」

まな板代わりの紙皿の上で、タコを薄く切る。
(冷凍のままでも、包丁は意外とすっと入ります。また、冷凍の方が旨味も出やすくなります。)

次に、生姜を細く刻む。
三郎は鞄から取り出した愛用の十徳ナイフをつかい、慣れた手つきで千切りを作った。

耐熱密封ビニール袋(例:ジップロックやリード冷凍保存バッグなど)にパックご飯、タコと生姜を入れ、 醤油、みりん、酒、どれも小匙一杯。

耐熱密封ビニール袋は不適切なことがわかりました。🙇
別記事、孤独の自炊外伝で、対案をご紹介しています。💡

そして、鞄の底に忍ばせてあった小瓶の魚醤※を数滴。

「海の香りが足されて、天草の海にちょっとだけ近づくとよ。」


今回、魚醤は、半額で手に入れた、いしり(イシル)を使いました。すでに賞味期限は
大幅に過ぎていますが、冷蔵保存しており、あくまで私個人の判断で使用しています。

タコの香りがふわっと立ち上がり、 三郎は思わず鼻で笑った。
「……むしゃんよか香りばい。」

耐熱ビニール袋を開き、ごはんにタコの煮汁をすべて吸わせるように混ぜ込む。最後に ごま油をほんの数滴。
それだけで、 “炊き込みご飯の影”のようなタコ飯が完成したばい。

🐙 材料のおさらい(1人前)たい

  • タコ(加熱済み):100g程度

  • パックご飯:1食分

  • 生姜:少々(チューブでも可)

  • 醤油:小さじ1

  • みりん:小さじ1

  • 酒:小さじ1

  • 魚醤※:少々 

  • ゴマ油:少々 (後入れです。)

※ ナンプラー、福岡の「えそ醤」、石川の「イシル」、秋田の「しょっつる」など。なくても可たい。

反省会たい

1.家庭で再現される場合、耐熱ビニール袋ではなく、お召し上がりになる御茶碗に、ラップをかけて調理されることをオススメします。

・パックご飯は、レンチン前の方が容器にこびり付かず取り出せます。
・一方、耐熱ビニール袋で加熱すると袋に付着し取り出しが大変です。

でも、ビジホで一人で味わうなら、袋のまま最後までむしゃぶりつけば、無駄なくお召し上がりになれ、掃除の手間も最小限ですみます。

2.加熱後、素早く混ぜながら、水蒸気を逃さないと、ベシャベシャな見た目になるたい。


自分としては、味には不満はありませんでしたが、
加熱袋からの盛り付けは、たいへんだったたい。

エピローグたい

窓の外には、 天草の妙見浦を思わせるような冬の風が吹いている。
三郎はふと、天草のご当地キャラ キャプテン海道くんのことを思い出した。

「ボーっと、ヌンしとったら妙見浦に落ちるばい!」
あの永遠の16歳の声が、どこかで聞こえた気がした。

三郎はタコ飯を一口食べ、 球磨焼酎のお湯割りを口に運ぶ。

「……飾りすぎん米焼酎がよか。
 タコの旨味をそっと押し上げてくれる。
 明日の仕事も、悲鳴ばあげんで、やれそうたい。」

静かなビジホの夜に、 三郎の小さな“海の混ぜご飯”が湯気を立てとるばい。


駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

ばい、ばい。


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