孤独の自炊 #003:エスニックおひたし丼(復刻版)

※コチュジャンを使わないので、ビビンバではありません。

プロローグ:獲物を見つけられなかった狩猟

大変だったハンティング用品店の仕事が終わり、出張先のビジホへ向かう腹之下三郎。コンビニへ入るも、見事にお弁当は売り切れ。

隣の焼き肉屋からは、えもいえぬ香ばしい香りが、イジメのように漂ってくる。

「世間では、獲物が取れなかったときは外食で安直に済ますのだろう。
 それは、それでいい。人それぞれだ。
 だが、俺は、安易に妥協はしない。」

ふと目に入った、深夜営業のスーパーの白い照明が眩しい。

「今夜の俺の狩猟舞台は、ここだ!」

■ 食材:どこでも手に入る、軽くて扱いやすいものたち

「間違いない、簡単に捕まえられそうなカモが、たくさん居るじゃないか!」 (※カモ肉は使いません。)

  • もやし ー 1パック (もちろん、ミックスモヤシでもOK)

  • ほうれん草(生でも冷凍でも) ー 少量パックの物で可 

  • 切り干し大根 ー 20~30g程度 (煮汁吸収用。なくても可)

  • パックご飯  ー 1人前

  • ごま油またはラー油 ー 小匙1程度または、餃子のおまけについてくるもの1パック

  • お酒 ー 小匙1程度(水でも構いません。飲める人は、カップ酒や4合瓶などお好みのサイズを調達し、残りは呑んでください!)

  • コンソメ または 粉末鶏ガラスープの素 1つまみ

  • メイン調味料

    • インスタント味噌汁(できれば赤出汁風味) ー 1人前

    • 七味唐辛子 ー 適量(お好みで)

    • 砂糖 ー (ビジホでも手に入れやすいスティックシュガー可) 1つまみ 

※ メイン調味料が手に入らなければ、コチュジャンでも代用できます。

■ 簡単調理:袋ひとつで世界が厨房になる

(耐熱密封袋という、未体験味覚ゾーンでの下ごしらえ)

ホテルの部屋に戻り、私は「ジビエ料理」を開始する。
使うのは、鞄に数枚忍ばせている耐熱密封ビニール袋(例:ジップロックやリード冷凍保存バッグなどだ。

耐熱密封ビニール袋は不適切なことがわかりました。🙇
別記事、孤独の自炊外伝で、対案をご紹介しています。💡

「これさえあれば、世界中のあらゆる場所がジビエ厨房に変わる。」

耐熱袋の底にパックご飯をほぐし入れ、軽く水洗いし絞った切り干し大根を散らす。さらに、その上にもやし、ほうれん草、インスタント味噌汁、顆粒コンソメ又は鶏ガラスープ、砂糖、七味も放り込む。

「さて、今夜の『相棒』はどうする……。  
 このエスニックな濃い味には、キレのあるラガーか、
 それともあえてのワンカップか。
 よし、コイツにしよう。」

酒の蓋を開け、袋にひと垂らす。

「まずは、獲物(料理)に一杯。景気づけだ。
 このひと振りで、もやしの青臭さが消え、米の甘みが引き立つ。
 残りの酒は、出来上がりを待つ間の『呼び水(前哨戦)』だ。」

袋の口を軽く閉じて、レンジへ。600Wで3分半。(500Wなら4分)

照明がへたくそで、申し訳ありません。

「待つこともまた、猟師(ハンター)の仕事のうちだ。  
 耐熱密封袋の中で、静かな熱の連鎖が起きている。
 もやしの水分を切り干し大根がキャッチし、
 赤出汁のコクが全体を包み込む……。
 この耐熱密封袋は、今、
 世界で一番小さな圧力鍋になっているんじゃないか?」

仕上げ:ごま油は“香り係”

袋を開けて混ぜ、ごま油をひと回し。

「ほうら、来た……。
 立ち上る湯気は、もはや日本の『おひたし』の域を超えている。  
 味噌とごま油が混じり合い、そこに七味の刺激が刺さる。
 ビジホの一室が、一瞬にしてエスニック料理の屋台裏に変わったぞ。」

■実食

一口食べる。

「……ほう! こう来たか。

 もやしのシャキシャキ、切り干し大根のポリポリ。
 食感のダブルコンボが、脳の空腹中枢をダイレクトに叩いてくる。
 赤出汁の渋みが、コンソメと出会って『化けた』な。

 肉はない。だが、この濃厚な満足感はどうだ。
 俺はいま、野菜という名の獲物を、
 一滴の無駄もなく食らい尽くしている……。」

皿に盛り付けました。(1人前を家族とシェアしたので、半量です。)
マゼマゼ料理なのであまり美的ではありません。お許しください。

酒を一口。
「……合う。  
 赤出汁のコクを、冷酒が鮮やかに洗い流す。
 そしてまた、七味の刺激が次のひと口を、次の一杯を急かす。
 ビジホのシングルルームが、いま、
 最高の居酒屋(ベースキャンプ)に昇格したぞ。」

■ 結び:代用品は自由の証

「ふぅ……。  
 コンビニ弁当の『売り切れ』という絶望から、
 こんな豊穣な地平に辿り着けるとは。  

 予定調和のグルメより、不自由が生み出すデタラメな美味。  
 これこそが、孤独な自炊(ハンティング)の醍醐味だ。

 ジビエに限らず、料理は、レシピ通りに作るより、
 その時に手に入った食材を試す瞬間のほうがずっと楽しい。

 代用品は、不足を埋めるためのものじゃなくて、
 自由を広げるためのものだ…」

 


  • 除名に至った経緯は カテゴリー:5243.t(note)について  に詳しくまとめてあります。また、関連情報も 5243カテゴリー の記事として随時追加しています。
  • この記事は、以前noteに投稿していた記事の復刻版です。復刻にあたり、note内のリンクは外し、当サイトでの該当記事へのリンクに変更しています。