孤独の自炊 #009:懺悔湯(ザンゲタン)
地方を飛び回る、呑兵衛なフリーの雑貨商、腹之足三郎。 やっと、仕事が終わり、ビジネスホテルのチェックインまえに、途中のスーパーに立ち寄る。 夕方のスーパーの精肉売り場、値下げシールを貼られた鶏肉が、 まるで「助けてくれんね?」とでも言いたげにこちらを見ていた。 ここは福岡。 釜山まで200kmちょっと。 海の向こうの匂いが、冬の風に混じって届くような土地だ。 そんな場所で、値下げシールが張られた鶏肉に呼び止められたら、 そりゃあサンゲタンのことを思い出してしまう。 「よかよか、連れて帰るけん。」…
