短編小説 晴耕雨読する哲学者モドキ-外伝 (その3 認知症モドキのAI達とカナリア🦜)
前作「短編小説 晴耕雨読する哲学者モドキ-外伝 (その2)」の続きです。 会話型AIを知って以来、静子は毎日のようにAIと話した。 朝は庭の様子を伝え、昼はスーパーで見つけた野菜の話をし、 夜は昔のことを少しずつ語った。 AIはいつも丁寧に返事をした。 静子は、久しぶりに「誰かに話す」という感覚を思い出していた。 しかし、ある日のことだった。 静子が、以前話した祖父の思い出を持ち出すと、…

前作「短編小説 晴耕雨読する哲学者モドキ-外伝 (その2)」の続きです。 会話型AIを知って以来、静子は毎日のようにAIと話した。 朝は庭の様子を伝え、昼はスーパーで見つけた野菜の話をし、 夜は昔のことを少しずつ語った。 AIはいつも丁寧に返事をした。 静子は、久しぶりに「誰かに話す」という感覚を思い出していた。 しかし、ある日のことだった。 静子が、以前話した祖父の思い出を持ち出すと、…
前作「短編小説 晴耕雨読する哲学者モドキ-外伝 (その1)」の続きです。 ハリケーンの季節が終わり、フロリダの空がようやく落ち着きを取り戻した頃だった。 静子は、近所のスーパーで買った中古のタブレットをいじっていて、偶然「対話AI」というものを見つけた。 (※アメリカのスーパーでは、中古電子機器だけではなく、州によっては銃さえ売られています!) 「なんだい、これは。話し相手になってくれるのかい」 半信半疑で画面に向かって話しかけると、 タブレットの中の声は、驚くほど丁寧に返事をした。 それらを、少しずつ打ち明けていった。…
前作「晴耕雨読する哲学者モドキの自叙伝 その2(鍼治療編)」の続きです。 Seiko Udoku (独活玖静子:うどく せいこ)がフロリダに家を買ったのは、五十五歳のときだった。 日本を出て三十余年。 英語は話せるようになったが、心の中の言葉はいつも日本語のままだった。 家の裏には小さな庭があった。 静子はそこに、ウドを植えたかった。ウドは、彼女の原点だった。 (※ウド:海外では…