BANeedKSY's Patent P04

BANeedKSYの特許案 P04

AIチャットは、一定のサイズしか会話を記憶できません。

このため、チャットが長くなってくると、AI側での過去の記憶が徐々失われますが、それでも表面上は、さも状況を理解しているかのような応答を返す、認知症に似た挙動を示します。

この現象を積極的に利用し、意図的に記憶サイズを減らすことで、認知症のシミュレーションを可能にする、というアイデアです。

このアイデアは、私のgithubで公開していますが、こちらのブログでもご紹介しておきます。


特 許 願(明 細 書)


【書類名】 明細書

【発明の名称】 認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置、方法、およびプログラム

【技術分野】

【0001】

本発明は、大規模言語モデル(LLM)の制御に関し、特に大規模言語モデルのコンテキストウィンドウ容量制限およびデコーディングパラメータの動的制御を利用して、人間の認知症における記憶障害、見当識障害、および取り繕い(作想)行動を構造的に再現する認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置、方法、およびプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

近年、認知症患者に対する介護者や医療従事者のコミュニケーションスキル向上を目的として、認知症患者の対話特性を体験的に学習するシステムが求められている。従来の対話シミュレータでは、大規模言語モデル(以下、「LLM」という。)に対して「あなたは認知症患者であり、過去の記憶を忘れ、取り繕うような振る舞いをしてください」といったプロンプト(指示文)を与え、演技的に認知症患者の挙動を模倣させる手法が一般的であった。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開2023-123456号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、従来のプロンプト指示による「演劇的模倣手法」では、LLMのコンテキストバッファ(文脈保持領域)内に過去の会話履歴や設定情報が完全な形で保持されている。そのため、LLMは内部的に正しい過去情報を把握した状態(文脈を知っている状態)で「忘れたフリ」を演じることになり、生成される応答に不自然なメタ的配慮や過度の整合性が含まれるという課題があった。その結果、矛盾を指摘された際に人間が直面するような、真の「取り繕い(Confabulation/作想)」や「噛み合わなさ(対話破綻)」、あるいは自己防衛的な感情応答をリアリティをもって再現することが困難であった。

【0005】

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、プロンプトによる指示(演劇的模倣)に依存することなく、LLMの入出力構造およびパラメータ設定そのものを動的に制限・制御することにより、構造的・物理的に認知症の思考および対話プロセスを再現可能な認知症シミュレーション装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するために、本発明の認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置は、ユーザからの入力テキストを受け付ける入力部と、大規模言語モデル(LLM)への入力として提供する過去の対話履歴を保持するコンテキストバッファを管理する記憶制御部と、設定された認知症の進行度パラメーターに基づいて前記コンテキストバッファに保持されるトークン数またはターン数を制限するコンテキスト制限部と、制限されたコンテキストおよび前記入力テキストに基づいて前記大規模言語モデルにテキスト生成を行わせる推論制御部と、を含み、前記コンテキスト制限部は、対話の進行に伴って過去の対話履歴を物理的に破棄または衰退させることで短期記憶障害および見当識障害を再現し、前記推論制御部は、文脈情報が欠落した状態において前記大規模言語モデルの出力確率分布を拡大するデコーディングパラメータを適用することにより取り繕い行動(作想)を発生させることを特徴とする。

【発明の効果】

【0007】

本発明によれば、LLMが過去の文脈情報を物理的に保持しない状態で応答を生成するため、直近のわずかなトークンのみから整合性を合わせようとする「真の作想(取り繕い行動)」や文脈の噛み合わなさが自然発生し、従来のプロンプト演劇方式では達成できない高度にリアルな認知症対話シミュレーションを実現できる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】 本発明の一実施形態に係る認知症シミュレーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 コンテキストバッファ管理およびデコーディングパラメータ制御の動作概念図である。
【図3】 進行度パラメータに応じた制御プロファイル例を示す図である。
【図4】 感情・BPSD状態遷移および長期記憶(Vector DB)の連動フローを示すシーケンス図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。

【0010】

[装置の構成]
図1は、本実施形態に係る認知症シミュレーション装置100のハードウェアおよび機能ブロック構成を示す図である。本装置100は、入力部10、制御部20、記憶部30、出力部40、および外部のLLM APIまたはローカルLLM推論エンジン50を備える。制御部20は、記憶制御部21、コンテキスト制限部22、推論制御部23、感情・BPSD評価部24、および長期記憶検索部(RAG部)25を有する。

【0011】

[記憶制限および作想生成メカニズム]
図2に示すように、記憶制御部21およびコンテキスト制限部22は、ユーザ対話の各ターンにおいて、コンテキストバッファへ投入する履歴をFIFO(First-In, First-Out)形式で厳密に切り詰める。進行度が「中等度」に設定されている場合、コンテキストバッファは最新の1〜2ターンの発言のみを保持し、それ以前のエピソード記憶は完全に物理削除される。

【0012】

推論制御部23は、この不足したコンテキスト環境下でLLM推論エンジン50を呼び出す際、Temperatureパラメータを通常の0.3〜0.5から0.8〜1.0へ引き上げる。コンテキストが極めて少ない状態でTemperatureが高められることにより、LLMは事後確率分布の平坦化を起こし、直前の1語・1文のキーフレーズのみに引きずられながら、事前学習データに基づくもっともらしい(しかし現実とは矛盾する)架空の事実を生成する。これが構造的「作想(Confabulation)」の再現となる。

【0013】

[進行度に応じたパラメータ制御]
図3は、進行度レベルに応じた設定値の一例を示す表である。軽度認知障害(MCI)から重度認知症に至るまで、コンテキスト容量(トークン数)、システムプロンプトの生存比率(Attenuation Rate)、およびTemperature/Top-Pを段階的に変化させる。

【0014】

[感情・BPSDおよび長期記憶フラッシュバック]
さらに本装置は、ユーザ側から「さっきも言ったでしょ」「矛盾しています」といった論理的指摘(ストレス刺激)が入力された場合、感情・BPSD評価部24が否定語パターンや感情分析(Sentiment Analysis)により不快度数値を加算する。不快度閾値を超えると、システムプロンプト内に「不快・警戒・泥棒妄想」に該当する一時的ステートタグが注入され、攻撃的または頑なな取り繕い(BPSD:認知症の行動・心理症状)が発生する。

【0015】

また、RAG部25は、ユーザ入力に含まれる特定の固有名詞(例:「昔の会社名」「故郷の地名」)をトリガーとし、記憶部30に蓄積された「長期エピソードDB」から非連続的に過去の記憶を抽出し、コンテキストバッファに混入させる。これにより、短期記憶は喪失しているが昔の記憶が突然鮮明に蘇る「唐突なフラッシュバック」を動的にシミュレートする。

【符号の説明】

【0016】

100…認知症シミュレーション装置
10…入力部
20…制御部
21…記憶制御部
22…コンテキスト制限部
23…推論制御部
24…感情・BPSD評価部
25…長期記憶検索部(RAG部)
30…記憶部
40…出力部
50…LLM推論エンジン


【書類名】 特許請求の範囲

【請求項1】

対話における対話相手の思考および発言プロセスをコンピュータによりシミュレートするシミュレーション装置であって、
ユーザからの入力テキストを受け付ける入力部と、
大規模言語モデルへの入力として提供する過去の対話履歴を保持するコンテキストバッファを管理する記憶制御部と、
設定された設定パラメータに基づいて前記コンテキストバッファに保持されるテキスト量またはターン数を制限するコンテキスト制限部と、
制限されたコンテキストおよび前記入力テキストに基づいて前記大規模言語モデルに応答テキストを生成させる推論制御部と、を備え、
前記コンテキスト制限部は、対話の進行に伴って過去の対話履歴を物理的に消去または非活性化させることで短期記憶の喪失状態を再現し、
前記推論制御部は、文脈情報が欠落した状態において前記大規模言語モデルの出力確率分布の多様性を高めるデコーディングパラメータを適用することにより、欠落した文脈を即興的に補完する取り繕い応答を発生させることを特徴とする認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置。

【請求項2】

前記コンテキスト制限部は、事前設定された認知症の進行度レベル(軽度、中等度、重度)に応じて、前記コンテキストバッファに保持する最大トークン数および過去ターン数の上限値を段階的に減少させることを特徴とする請求項1に記載の認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置。

【請求項3】

前記コンテキスト制限部は、時間・場所・自己の識別情報を含む見当識定義データのコンテキストバッファ内における優先度を対話の経過とともに低下させ、前記見当識定義データを物理的に切り落とすか、またはノイズ化することを特徴とする請求項1または2に記載の認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置。

【請求項4】

前記推論制御部は、認知症の進行度レベルが高くなるにつれて、前記大規模言語モデルにおけるTemperatureパラメータまたはTop-Pパラメータの少なくとも一方を増加させ、文脈に依存しない確率論的な語彙選択割合を高めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置。

【請求項5】

ユーザの入力テキストに含まれる論理的矛盾指摘または否定語を検出してストレス数値を計測する感情評価部、をさらに備え、
前記推論制御部は、前記ストレス数値が閾値を超えた場合に、感情状態を示す特定のステートプロンプトを前記大規模言語モデルへ注入することにより、自己防衛的または攻撃的な行動・心理症状(BPSD)に対応する応答を生成させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置。

【請求項6】

過去のエピソード記憶群をベクトル形式で格納したデータベースと、前記入力テキストに含まれるトリガー単語に基づいて前記データベースから関連する過去記憶を検索する長期記憶検索部と、をさらに備え、
前記記憶制御部は、短期記憶の履歴が消去されている状態において、前記検索された過去記憶を前記コンテキストバッファへ非連続的に割り込ませることで、長期記憶の偶発的浮上現象(フラッシュバック)を発生させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の認知症思考・対話プロセスシミュレーション装置。

【請求項7】

コンピュータが実行する認知症思考・対話プロセスシミュレーション方法であって、
ユーザからの入力テキストを受け付けるステップと、
大規模言語モデルへ投入する対話履歴コンテキストの保持容量を、設定された認知症進行度パラメータに応じて制限するステップと、
制限されたコンテキストおよび前記入力テキストを前記大規模言語モデルに入力し、かつ出力確率分布を広げるデコーディングパラメータを設定して応答テキストを生成させるステップと、
過去の対話履歴が物理的に消去されたことによる文脈欠落と、前記デコーディングパラメータによる語彙多様化とにより、取り繕い行動を含むシミュレーション応答を出力するステップと、
を含む認知症思考・対話プロセスシミュレーション方法。

【請求項8】

請求項7に記載の認知症思考・対話プロセスシミュレーション方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。


【書類名】 要約書

【要約】

【課題】プロンプトによる指示(演劇的模倣)に依存することなく、LLMの構造的制約を用いて認知症の記憶障害および取り繕い(作想)行動をリアリティをもって再現する。
【解決手段】対話シミュレーション装置100は、LLMへ与える対話履歴を保持するコンテキストバッファを管理し、設定された進行度パラメータに応じて過去履歴を物理的に切り落とすコンテキスト制限部22と、文脈欠落状態でTemperature等のデコーディングパラメータを引き上げて生成を行わせる推論制御部23を備える。LLMは過去文脈を物理的に保持しない状態で応答を構築するため、直近の語彙のみから辻褄を合わせようとする真の取り繕い行動が自然発生する。
【選択図】 図1


【書類名】 図面

 
 

 


【重要補足事項】

本記事は、公開された時点で「公知の技術(Prior Art)」となり、いかなる企業、団体、個人等による独占的な特許権利化も拒絶されるものとなります。

ただし、特許法第30条(新規性喪失の例外)に基づき、公開から1年以内であれば、依然として特許出願が可能です。

ただし、本概念を実効性のあるサービスとして社会実装し、特許権としての権利化を希望する事業者に対しては、以下の条件において権利獲得のための協力を行う用意があります。

  • 譲渡条件: 本公開日より1年以内に打診があった場合、特許法第30条(新規性喪失の例外規定)の適用手続きおよび特許出願・権利譲渡に必要な手続きの窓口を開放する。

  • 費用負担: 出願・受領・移転・各種協議に伴う一切の実費および諸経費(印紙代、弁理士手数料、通信費、交通費、会議費等の諸雑費を含む)は、全て権利を受領する事業者側の全額負担とし、発案者側に金銭的・実務的な自己負担は一切発生しないものとする。また、発案者側への対価については、別途協議するものとする。(法外な金額を要求するつもりはありません。)


👤 発案者・連絡先

 

最終更新日: 2026/08/31 14:10:38